提案する人

 家の中にいるのに、こんなに豊かに光を感じられるなんて──。今回、パンフレットの撮影のために、気持ちのいい木の家io で1 泊2 日を過ごして、光のありがたさを改めて感じました。大きく開いた窓から降りそそぐ光の中にいると、すべてが美しく、やわらかく見え、気持ちがおだやかになります。北欧を旅したときに泊まったアパートを思い出しました。

 無垢の木って、本当にあたたかいんだ──。部屋のほとんどは杉の木のフローリングを使っており、一歩一歩踏みしめるたびに、足の裏をやさしく刺激します。ていねいにかんながけされた東濃ひのきの柱は、何度も何度も触りたくなります。ウレタン塗装などの加工をしていないため、自然そのままの木を楽しむことができます。

 ぜいたくな素材を使ってシンプルに仕上げた家だから、部屋に置くものはあまり主張しすぎないものを、とインテリアは事務所のスタッフと一緒に考えました。無垢の木をふんだんに使った「monokraft」(*1)のソファには、手触りのよい控えめな色のファブリックを合わせたり、無地の座布団には草木で染めた生地を使ったり。白い釉薬で仕上げた「樹ノ音工房」の土の器は、使い込むごとに味わいが出てくるでしょう。ほかにも麻のかごや、和紙を使った照明など、できる限り天然の素材を使った、丈夫で一生大切にできるものを選んでいます。

 家は、人が使うことにより育ってゆくもの、とわたしは考えています。汚れや傷も、思い出のひとつ。シンプルな空間だからこそ、家族構成や子どもの年齢の変化に合わせて使い方を変えやすいこの家は、毎日の手入れの仕方や住まい方の違いで、10 年後、20 年後にはさまざまな表情を見せることでしょう。ひとりひとりの暮らし方を提案できる家、それがioだと思います。

(*1)「monokraft」清水徹がデザインし、旭川の家具工房がつくる、モダンで自然な味わいの木の家具です。ioモデルハウスでの販売も、スタートしてます。

インテリア:セキユリヲさん

1970年生まれ。やわらかくあたたかく、色彩豊かな図案を生み出し、プロダクトに展開するデザイナー。「古きよきを、あたらしく」をテーマに、全国の職人さんと組んで、独自の図案を生かしたくつしたや器などの日用品づくりをする「サルビア」主宰。 http://www.salvia.jp/

  • 廃校跡地を使っての展示・サルビア喫茶展のひとこま。

  • 大阪・阪急デパートのカフェyusoshi ではグラフィックを担当。