設計した人

モダンなのに、懐かしい。森下さんがデザインした、気持ちのいい木の家io は、いまの暮らしに和のテイストをとりいれています。たとえば屋根は、昔でいう二寸五分のゆるやかな傾斜。
「数寄屋づくりに近い軽快な印象です」と森下さん。「モダン建築は、日本建築に影響を受けていますから、和の感じもあり、近代的でもあるんです」
床からすっと柱がのび、屋根を支える日本家屋は軽やかで、光や風の気持ちよさを大切にしてきました。

森下さんが大事にするのも、そんな家です。ひろがりのある大きな窓からは、明るい光がリビングへと降りそそぎます。また、ランドスケープ(眺め)を見晴らせる、ひろびろとした開放感も。ゆるやかな傾斜の屋根や、ひらかれた窓は、強い主張のかわりに、住まいとしての心地よさを提供するもの。
「モノ自身が語るのではなく、空間性を表現しています」森下さんがみつめているのは、家というモノ自体より、暮らしていて気持ちのいい空間づくりなのです。家の中心には、一階にバスルーム、二階にキッチンがあります。そのコンセプトは“家のなかの家”。
「家族みんなが集まる場所、それが家です、と伝えたい」

お母さんがキッチンに立つとき、そこがわが家の中心になる。一日の疲れを癒すおふろは、家の真ん中にあって、ほっと落ち着ける。そのデザインには、家という生活を営む空間を、最も大事な場所として暮らしませんか、というメッセージが込められています。家族同士も、訪れる友人やお客さまも、まちも、家をとりかこむ自然の光や風も、オープンにつながっていく温かなコミュニケーションの場であってほしい。そんな思いから、気持ちのいい木の家io はデザインされました。家族がずっと、風通しよくふれあえるために。

森下修さん

1962 年生まれ。森下建築総研代表。一級建築士。モダンでありながら和の伝統を意識し、暮らしに根ざしたデザインを提案する。受賞歴:木質空間デザインコンテスト入賞、(社)日本建築家協会近畿支部 第1 回建築家新人賞など多数。http://www17.ocn.ne.jp/~mk_soken/

  • 愛知万博のチケットブース。リサイクル木材を使う実験的工法の採用と、木の美しさを生かした壁体デザインが印象的。

  • 南あわじ市営(旧南淡町)四季の丘団地。“鎮守の森”をキーワードとし、周辺環境に配慮。